舞踏の原点「病める舞姫」の里、秋田市を世界に発信したい!~「舞踏は本当の生活を探す一方法である」ー土方巽
土方巽生誕90年を記念して
秋田が生んだ舞踏の創始者・土方巽の顕彰活動と舞踏の発展に取り組む「NPO土方巽記念秋田舞踏会」の代表・米山伸子と申します。近年は秋田県内で舞踏イベントが頻繁に開かれるようになり、海外でも「BUTOH」として広く知られ、土方再評価の機運が高まる中、今年は生誕90年という節目を迎えました。
私たちは舞踏家・土方の表現の源泉ともいえる故郷・秋田市を舞台にした写真集の刊行を計画しています。その制作・印刷にかかる費用の一部をFAN AKITAを通じて多くの方々からご協力いただきたいと考え、「土方巽『病める舞姫』写真化プロジェクト」を立ち上げました。
土方巽とは
1928年秋田市生まれ、秋田工高卒。日本独自の身体表現である舞踏の創始者として世界的に知られる。
1946年、秋田市駅前にあった増村克子(江口隆哉門下)モダンダンス研究所で学び、1947年初めて上京。1959年に三島由紀夫の小説をベースにした「禁色」を発表し、舞踏家として新たな身体表現を切り開く。代表作は「肉体の叛乱」「四季のための二十七晩」「静かな家」「ばら色ダンス」など。
「病める舞姫」「美貌の青空」「犬の静脈に嫉妬することから」など関係する著書も多い。後進の育成にも力を入れ、麿赤兒、田中泯、和栗由紀夫、玉野黄市、芦川洋子、小林嵯峨、山本萌ら数々の舞踏家が土方のもとを巣立っていった。1986年、57歳で死去。
わらべ歌のように懐かしくも恐い「病める舞姫」
写真集のテーマは難解とされる土方巽の「病める舞姫」の世界を直弟子の舞踏家たちが再現することです。土方巽が新しい「舞踏譜」創作のために無垢な子供にかえる事を試みた作品です。
「病める舞姫」は土方の芸術観、思想、死生観など創作のためのヒントがたくさん詰まった、土方研究には欠かすことのできない重要な著作です。
世界的に評価される舞踏という身体表現の源風景である「病める舞姫」。土方は農村と都会の文化が混在している生まれ故郷の秋田市からどんな影響を受けて、世界を震撼させるような革新的な芸術を生んだのか。プロジェクトに参加した写真家、舞踏家たちと一緒にその秘密に迫りたいと思っています。
秋田に集まった舞踏家と写真家
写真集の刊行を目指して、昨年の2017年6月から10月にかけて5回にわたり撮影会を行いました。モデルとなってくださった主な舞踏家は大野慶人、和栗由紀夫、小林嵯峨、山本萌、白榊ケイ、雪雄子の各氏。いずれも土方の影響を強く受けた舞踏第一世代を代表する世界的な踊り手です。
急逝された和栗由紀夫さんの姿
写真集、読みとき「病める舞姫」はは9月1日完成予定
写真集はA4版160ページ(うち写真140ページ)で「病める舞姫」抽出文付き。秋田市出身の東京で活躍するアートディレクター宮古美智代さんに編集をお願いしています。
写真集とともに、秋田在住の有志が4年の歳月をかけて「病める舞姫」を解読した成果をまとめた「読み解き・病める舞姫」も刊行します。「舞踏は本当の生活を探す一方法である」という土方の言葉に導かれながら、昭和初期の秋田市の様子を九日生少年になった気持ちでイメージしたことをつづりました。土方と舞踏の研究への参考にしていただければ幸いです。
ご支援へのお返し
写真集の市販価格は5,184円(税込み)です。FAN AKITAでは5,000円以上の支援のお返しに写真集が含まれています。また解読本「読み解き・病める舞姫」(定価2,160円・税込み)を含むお返しも用意しています。写真集へのご芳名記入は30,000演以上のご支援に対し行っております。ご購入を検討される方は、ぜひFAN AKITAをご利用ください。
最後に
「病める舞姫完全写真化計画」は昨年1月、写真家、谷口雅彦さんにお会いしたことから、一気に具体化しました。このファンドの目標額は100万円ですが、実際の必要額は撮影に250万円、印刷編集費に250万円程かかります。目標額にこだわらず、皆様の大きなご支援をお願い致します。
この度の写真集、故和栗由紀夫さんはじめ舞踏家の皆様のご協力はもとより、私どもの趣旨をご理解下り、応援して下さいました行政、秋田市民、県民の皆様に心より感謝申し上げます。